サトコト

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外資系コンサルタントに学ぶ「論理思考力」

今からもう4、5年前になるが、とある外資系コンサルティング会社と一緒に仕事をしていた時期があった。

 

仕事内容を簡単に説明すると、業務をコアとノンコアに分けて、ノンコアについては人件費が安い海外で行わせる、というプロジェクトだった。いわゆるBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)である。

ノンコア業務とは例えば、伝票の処理だったり書類作成だったり、料金計算など判断が要らない様な仕事のことで、身近なもので言えばコールセンターなんかも海外で行なっているケースが多い。

 

このプロジェクトに携わった外資系コンサルティング会社のメンバーの多くは若い方が多かったが、いずれも聡明な人たちばかりだった。

 

特に一番驚いたのが、プレゼンで説明、提案をする際に必ずといって理にかなっていること。

言い換えれば、論理的思考力が備わっていて、彼らの話す内容に自然と納得してしまうものだった。

 

そんな彼らと仕事をする中で、自分も同じ力を身に付けたいと思って、読んだ本を今回紹介したいと思う。

 

 

 

タイトル:3分でわかるロジカル・シンキングの基本

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まずは著者の紹介。

1975年東京生まれ。慶応大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社、戦略グループ所属。退社後、株式会社ジョブウェブの創業、副社長。その後、株式会社ティンバーラインパートナーズを設立、代表取締役(現職)、著作・ブロガー活動を始める。現在は、仮想通貨関連の事業をメインに関わる。

 

著者もアクセンチュアという外資系コンサルティング会社出身であり、本書の内容も非常に整然とわかりやすい言葉で書かれている。

 

論理的思考力を身につける基本技術についても多く書かれていて、その中で幾つかに絞って説明したい。

 

 

論理的とは?

こういう例えがある。

「朝に霧が出ていたから、今日は晴れるだろう」

これだけだと多くの人は「そうなの?」と思うはずだ。むしろ「霧が出たら天気は悪くなるのでは?」と思ってもいい。

実は、「朝霧は晴れ」という言い伝えで、山登りが好きな人なら知っている天気予報の法則である。もちろん、全ての人が山登りが好きなわけでもないので、聞く人にとっては全く筋が通っていない様に感じるだろう。そんな時、こう説明すれば「なるほど」と思ってもらえる。

春、高気圧に覆われている気圧配置だと夜は相対的に冷え込み、朝になると霧が発生することが多い。だから、朝霧の日は晴れることが多い

 

この様に自分のごく狭い「常識」だけを一般論として、相手に論理を展開してもコミュニケーションが噛み合わない。論理的とは、相手が納得できる様に、また相手の「常識」を考えて説明することなのである。

 

As is To be思考

少し仕事よりの手法になるかもしれないが、現状のものを改善したい場合の手法として「As is To be思考」がある。

「As is」とは「現状」で、「To be」とは「あるべき姿」を指す。まず取り掛かるのは「To be」の方だ。現状でどこをどう改善していくのかを考えるのではなく、本来あるべき姿はどうなのかを先に描き出す。その後、現状を分析し、あるべき姿と比較してどうギャップを埋めていくのかをプランとして進めるのだ。

 

実は、冒頭に書いた海外へノンコア業務を移管するプロジェクトも、この手法を使って取り組んだ。「あえて人件費の高い日本でやる必要はない」というあるべき姿を描き、ではどうすれば海外へ仕事を移すことができるのかを考えて実現したのである。

 

「答えのない問題」に答える

「シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」

マイクロソフトや外資系のコンサル会社では面接試験でこの様な問題が出されることで知られている。

実はこれ、地頭力を問う問題だ。知識の有無だったり、答えの数字などの正確性を問うているわけではなく、論理思考力が問われている。もちろん試験官も、調律師が何人いるか答えは知らない。

つまり、「どういうことを論拠にどの様に●●人と推計したのか」、そのアプローチを見られる。

 

「既存の知識や方法論が通用しない新しい問題に関しても、常識と論理を頼りに、自分なりの切り口や捉え方で、物事の本質や問題の根底に近づくことのできる能力」

この地頭力のベースになるのが論理思考力なのだ。これがなければ、論理的に説明できなかったり、矛盾があったりして意味を成さなくなってしまうからだ。

ちなみにこんな質問も論理的思考力を問われている。

マンホールの蓋が丸いのはなぜか?

 

余談だが、この様な答えのない未知の数字に対して、論理思考力を使って値を推計することをフェルミ推定と呼ぶ。

 

まとめ

本書には他にも「ピラミッド・ストラクチャー」や「イシュー・ツリー」、「MECE」といった手法の説明も記載されている。

今回は、あくまで一例を紹介しただけなので、「会社の資料作りに役立てたい」とか「会議で周りを納得させる様な説明ができる様になりたい」など思っている方は、ぜひ一度読んでいただきたい。

ただ自分の意見を述べていただけではビジネスでは通用しない。「事実」と「意見」は分けて発言するべきで、きっと本書をお読みいただければご自身のスキルアップにも繫ると思っている。

 

 

最後に、自分は本で学んだことを定期的に振り返る習慣付けをしている。その内容について触れた記事が下にあるので、合わせて一読いただければと思う。

satkoto.hatenablog.com