我が家には子供に読み聞かせる絵本がたくさんある。
毎日子供たちは本棚から読みたい本を選んで、自分で読んだり「読んで!」と近寄ってきたりする。
そんな中から、オススメの本を紹介するシリーズを始めたいと思う。
それでは、第一弾を紹介しよう。
タイトル:ふまんがあります
この本は、長女(現在小学2年生)が好きな本である。
作者はヨシタケシンスケさん。
以下、ヨシタケさんについて簡単な紹介。
「1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院卒。日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取ったスケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたり作品を発表している。「りんごかもしれない」で、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化賞美術賞などを受賞。他の著書に「ぼくのニセモノをつくるには」、「りゆうがあります」などがある。2児の父。」
書評について
タイトルや表紙から分かる様に、子供が親に対して抱える日常の「ふまん」について投げ掛けるお話である。どんな不満なのかを一部だけ紹介しよう。
- どうして大人は夜遅くまで起きているのに、子供は早く寝なくてはいけないのか?
- どうして弟が悪いのに、私ばっかり怒られるのか?
- どうしてお風呂に入る時間を、大人が勝手に決めちゃうのか?
どうだろう。きっとどこの家庭でも同じシーンは必ずあるのではないだろうか?かく言う我が家もまさにその通りである。
だからこそ長女もこの本が好きで、「そうだそうだ!」と言わんばかりに笑いながら本を持って近寄ってくる。
なぜ笑いながらなのかと言うと、不満に対する親の返しが実にユーモアだからだ。
例えば、1.の子供を早く寝かせる理由として、
「次のクリスマスのために、サンタさんから頼まれた調査員が、夜早く寝る子かどうか何回も調べるにくるから」だと。
ヨシタケさんの素晴らしいところは、この様な面白い発想に加え、非常に愛着の湧くイラストタッチで親子のやりとりが描かれている点にある。
その為、つい大人も子供も読んでいて顔がニヤケてしまう。
子供が親に迫ってくる不満や追求はまさに鋭いものばかりで、こちらも「ドキッ」とするのだが、ユーモア溢れる返しにまるで助けられている様だ。
そんな本書は、4歳〜5歳から向け絵本なので、この年代の子がいる家庭を持つ方はぜひ一度親子で読まれてみてはいかがだろうか。